「いただきます」って、いつからこんなに寂しい言葉になったんだろう。病棟勤務の夜勤明け、クタクタに疲れて帰宅して、レンジで温めた一人分のご飯を静かに口に運ぶ。隣には誰もいない。
テレビの音だけが部屋に響いていて、笑っているはずのバラエティ番組を、ぼんやり眺めているだけの自分がいた。
看護師という仕事に誇りを持っていたし、誰かのために働ける喜びもあったはずなのに、ふとした瞬間に「この生活、いつまで続けるんだろう」と思うようになったのです。そんなある日、決意をして環境を変えました。
今では、夕食の時間が一日の中で一番好きな時間になっています。
この記事では、そんな転職を通して生活が大きく変わった私の体験をもとに、「働き方の見直し」が日常の幸せにどうつながるのかをお伝えします。同じように悩む誰かが、「私も変えていいんだ」と思えるきっかけになりますように。
※この記事は、実際にLINE転職相談にいらっしゃった看護師さんの体験談をもとに、構成・編集しています。
夜勤ばかりで、夕食の時間が“苦痛”だった
一緒に食べる相手がいても、仕事でぐったりしていると心から味わえない。当時の私は、夕食を“楽しむもの”ではなく、“こなすもの”にしてしまっていました。
勤務シフトが食生活を乱す
夜勤が続くと、生活リズムは大きく崩れます。特に看護師の夜勤は仮眠もままならず、帰宅してからの夕食は「お腹がすいた」ではなく、「とりあえず何か食べなきゃ」の感覚でした。
- 不規則な勤務で自炊の習慣が消える
- 夕食が夜中1時、朝食が夕方5時という日も
- 食べる時間がズレると、体の疲れも取れづらい
身体の栄養よりも“とりあえずカロリー”を優先する食生活に、徐々に心も体も疲弊していきました。
パートナーとの時間もすれ違いに
私には同棲しているパートナーがいました。けれど、私の勤務が不規則なせいで、すれ違いばかり。
たとえば、
- 彼が仕事から帰宅→私はまだ勤務中
- 私が帰宅→彼は夕飯を済ませてお風呂に入った後
- 一緒に夕飯を食べたのは週に1回程度
「ちゃんと寝てる?」「最近、話せてないね」そんな言葉が、どんどん減っていきました。食卓を囲む時間がないことが、関係性にまで影響していくのを感じていました。
自分の時間を失う感覚
ご飯を楽しむことも、話しながら笑うことも、「看護師なら我慢するべき」だと思っていました。でもそれは違いました。夕食はただの栄養補給じゃない。それは「自分を大事にする時間」でもあったのです。
仕事に追われる日々の中で、「なんのために頑張ってるんだろう?」とふと思ったあの夜。そこが、転職を考えはじめたきっかけでした。
転職して“夕食に笑顔”が戻った理由
転職を決意したのは、「看護師をやめたい」と思ったからではありません。「大切な人との時間を、ちゃんと大切にできる働き方をしたい」と思ったからです。
働き方を選べる職場に出会った
転職先は、訪問看護ステーションでした。夜勤がなく、シフトは原則日勤帯。看護師としての専門性は活かせるのに、生活リズムが一変しました。
- 勤務時間:8:30〜17:30、残業は月10時間程度
- 土日祝は基本休み(オンコール対応は交代制)
- 有給も“取っていい空気”がある
実際に働いてみると、「こんなに心に余裕を持てるんだ」と驚くほどでした。制度として「ある」だけでなく、「使いやすい空気がある」ことが大切だと気づきました。
※参考:制度的サポート理論(Thomas & Ganster, 1995)では、“制度”の存在だけでなく、“実際に利用しやすい”ことが従業員満足度に直結すると言われています。
生活リズムが整い、笑顔が自然に戻る
夕方に仕事を終えて、スーパーで食材を選び、パートナーと一緒にご飯を作る。その当たり前のような時間が、以前の私にはなかったのです。
- 食事中の会話が増えた
- 体調も安定し、朝の目覚めもすっきり
- 疲れていても「今日、こんなことがあったんだよ」と話す余裕がある
「なんか最近、よく笑うようになったね」とパートナーに言われたとき、転職してよかったと心から思いました。
「誰かのため」から「自分のため」に働く感覚
以前は、誰かの命を預かる責任の重さに押しつぶされそうでした。今も看護師であることには変わりませんが、“自分の人生”のために働けている実感があります。
- 毎日、仕事終わりの時間に楽しみがある
- 誰かの期待より、自分の希望を大切にできる
- 人として、看護師として、もう一度笑えるようになった
これこそが、私が「夕食に笑顔が戻った」と感じた理由でした。
看護師として“自分の幸せ”を選ぶということ
「看護師だから我慢するのが当たり前」
「命を預かっているから、自分のことは後回し」
──そんな思い込みに、少しずつ疑問を抱くようになりました。
「やりがい」と「生きがい」は違っていい
以前は、「やりがいがあるから、つらくても頑張る」が正解だと思っていました。でも、それだけでは続かないこともあると、転職して気づいたのです。
- 看護師としての成長=やりがい
- プライベートの充実=生きがい
両方を大切にしていい。どちらかを犠牲にする働き方から、抜け出してよかったと思っています。
変わることを“逃げ”ではなく“選択”と捉える
「転職=逃げ」というイメージを持つ人もいるかもしれません。でも私は、逃げではなく、“自分の意思で選んだ結果”だと考えています。
- 転職して得たもの:時間の余裕、体力の回復、人とのつながり
- 転職して失ったもの:夜勤手当、ハードな経験…だけど、それ以上に得たものが大きい
環境を変えることは、自分の幸せを守るための前向きな行動だと実感しています。
「パートナーとの未来を描ける働き方」ができた
最終的に一番大きな変化は、将来のイメージができるようになったことです。
- 結婚や出産を見据えた働き方が現実的に思えた
- パートナーとの時間を大切にできる暮らしが手に入った
- 「この人となら、ちゃんとやっていけそう」と思えた
看護師という仕事をやめなくても、“私らしい幸せ”はちゃんと手に入れられる。そう思えたからこそ、次の人生の一歩を踏み出す準備ができました。
働き方を変えて得られた「心と体」の変化
転職して変わったのは、仕事内容だけではありませんでした。私の「心」と「体」にも、思っていた以上に大きな変化があったのです。
睡眠時間が増えたことで疲れが抜けやすくなった
病棟勤務では、夜勤や不規則な勤務が当たり前。常に睡眠不足で、休みの日もベッドから起き上がれないことがよくありました。でも、転職後は以下のような変化が起きました。
- 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きられる
- 夜中に目が覚めることが減り、ぐっすり眠れる
- 起きたときの体の重だるさがなくなった
看護師として働きながら、こんなに“普通の生活リズム”が手に入るとは思っていませんでした。
イライラや無気力が減って、感情が穏やかに
以前は、どんなに意識していても患者さんや同僚の言動に敏感に反応し、心がささくれ立っていたように思います。それが、環境を変えただけでこんなにも変わるとは…
- 物事に対して寛容になれた
- 小さな幸せや感謝に気づけるようになった
- 人と穏やかに接することができるようになった
「本来の自分って、こんなだったかも」と思える瞬間が増えたのは、かけがえのない変化です。
毎日が“回復する生活”に変わった
病棟勤務時代は、働く→削られる→寝る→働く…の繰り返しでした。今は、働くことで疲れても、ちゃんと回復する毎日になっています。
- 食事を楽しめる
- 休日にやりたいことがある
- 夕方にパートナーと笑って会話できる
“自分をすり減らす働き方”から、“自分を整える働き方”へ。この変化が、日常に彩りを戻してくれた気がします。
あの日、転職を決意して本当によかった
転職するまで、何度も「このままでいいのか」と悩みました。けれど今は、あのときの自分の決断を誇りに思っています。
背中を押してくれたのは、未来の自分だった
「今ここで動かないと、きっと後悔する」その感覚が、心の奥から湧いてきました。
- パートナーと過ごす時間を大切にしたい
- 健康に働き続ける将来を描きたい
- 看護師という仕事を、もっと好きでいたい
過去ではなく、未来の自分が笑っているかで選んだ転職。迷った時間も含めて、価値あるプロセスだったと感じています。
「辞める勇気」は、次の誰かの希望になる
実際に転職してみて、同僚からこう言われたことがあります。
「あなたが辞めたことで、私も“辞めていいんだ”と思えた」
それを聞いて気づきました。誰かが声に出さないでいた苦しみを、私は代弁していたのかもしれません。
- 退職や転職は“逃げ”じゃない
- 自分を守る選択は、責任ある行動
- その姿が、誰かの背中を押すこともある
私の選択は、私だけのものではなかったのです。
人生の“満足度”は、自分でつくれる
転職をして手に入れたのは、ただの“新しい職場”ではありません。私が得たのは「毎日の満足感」や「未来への希望」でした。
- 無理なく働ける生活リズム
- 安心して帰れる家庭環境
- 看護師としての誇りを持てる職場
人生は、「選び直す」ことができる。そう信じて動いたからこそ、今の笑顔があるのだと思います。
あなたの笑顔のために、選んでいい
日々の疲れで笑えなくなってしまったあなたへ。仕事も人生も、少しだけ角度を変えれば見える景色が変わります。転職は簡単ではないけれど、「変わりたい」と思うなら、動く価値は十分にあります。
今のあなたの気持ちを、大切にしてください。
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