ずっと「このままでいいのかな?」が頭から離れなかった
「辞めたい」わけではない。むしろ、病棟での仕事にはやりがいもあるし、チームにも恵まれている。でも、ふと夜勤明けの帰り道や休日の夕方に、「このままでいいのかな?」という問いがふと頭をよぎる──。
そんな経験、ありませんか?
「辞めたい」わけじゃない。でもモヤモヤが続く
「もっと条件のいいところがあるんじゃないか」「私の時間、大切にできてるかな」──そんな気持ちは、決して甘えでもわがままでもありません。
看護師という仕事は、患者さんの命を預かる重責と引き換えに、私生活が後回しになりがち。それでも自分に「まだ頑張れる」と言い聞かせてきた人ほど、ある日ふと心がぽっかりと空くことがあります。
「転職すれば変わるかも」という気持ちの裏側
そんなモヤモヤが続くと、「いっそ転職すれば何かが変わるかも」と考えることもあります。実際、転職は環境を変える有効な手段。
でも、すぐに動けないのは「今の職場での信頼関係を壊したくない」「次の職場がもっと合わなかったらどうしよう」といった不安があるから。
環境を変えることが解決になるとは限らない──。そんな葛藤に、足が止まってしまうのは自然なことです。
SNSや先輩の転職話に心が揺れた日々
InstagramやXで見かける「転職してよかった!」という投稿、先輩から聞く「うちは残業も少なくて楽だよ」という言葉。うらやましくなる反面、自分に合うかは分からないし、タイミングを逃している気もしてくる。
「私も変わりたい」と思っているのに、何もできていない──そんな自己嫌悪が積もっていく日々は、誰にでもあるものです。
だからこそ、まず必要なのは“無理に決めること”ではなく、“一度、立ち止まって考える時間”なのかもしれません。焦らず、自分の気持ちを整理することが、実は一番の近道だったりするのです。
キャリア面談で「転職しなくてもいいかも」と思えた理由
キャリアについて悩む看護師の中には、「今のままで良いのか」「転職すべきか」と迷い続ける方が多くいらっしゃいます。そんな中、近年注目されているのが“転職前提ではないキャリア面談”です。
この面談では、自身の働き方や価値観を整理し、現職にとどまる選択肢も含めて冷静に見直すことができます。
今の職場の「良さ」に気づくきっかけになる
キャリア面談では、日々の業務では意識しにくい「今の職場のメリット」を言語化することができます。
たとえば、人間関係が良好であることや、自分の得意分野が活かせている環境であることに気づき、「実は自分に合っていた」と再評価するケースもあります。こうした客観的な視点を持つことは、転職に踏み切る前の大切な判断材料となります。
比較することで「何を大切にしたいか」が見える
他の職場の情報を得ることで、待遇や制度だけでなく「自分が働く上で何を大事にしたいのか」を明確にすることができます。
たとえば、「給与よりも生活リズム」や「専門性よりも人間関係」といったように、転職の軸が見えることで、急いで環境を変える必要があるのか冷静に判断できるようになります。
話すことで、自分の考えが整理される
キャリア面談は、一人で考え込まずに「話す」ことを通じて、気持ちや考えを整える場でもあります。
悩んでいたことが意外とシンプルな課題だったと気づいたり、「転職したい」のではなく「今の働き方を少し変えたい」だけだったとわかることもあります。こうした気づきが、「辞めなくてもいいかも」と思える第一歩になるのです。
転職を急がないという“選択”
看護師として働いていると、「いつかは転職すべき」「今のままでは成長できないかもしれない」という焦りに似た気持ちが湧くことがあります。しかし、すべての人にとって“今すぐ転職する”ことが正解とは限りません。
むしろ、あえて立ち止まり、じっくりと自身のキャリアを見つめ直す時間が、より良い選択へとつながる場合もあります。
転職=変化ではなく、準備も選択肢のひとつ
転職とは、働く場所を変えることだけを意味するものではありません。場合によっては、知識やスキルを高めるための学習期間や、生活習慣を整えることが、結果として理想のキャリアを実現する基盤になることもあります。
転職を「ゴール」にするのではなく、選択肢のひとつとして捉えることが重要です。
「動かない勇気」もキャリアの一部
周囲の転職情報やSNSでの成功談に触れると、「自分も何か行動しなければ」と感じてしまうことがあります。しかし、目の前の仕事にしっかり向き合いながら、冷静に今後の方向性を考える姿勢もまた、大切なキャリア戦略です。
無理に環境を変えるのではなく、納得のいくタイミングで動ける準備をする期間と捉えることで、将来の後悔を減らすことができます。
選択肢を知っておくことで、不安が減る
転職を急がなくても、「いざという時に選べる道がある」という事実が、日々の不安を軽減することもあります。自分に合った働き方や制度を把握しておくことで、現職にとどまる決断にも自信が持てるようになります。
選択肢を持つことは、転職の有無にかかわらず、人生における大きな安心材料となるのです。
現職で“できること”を最大化するには?
転職せずに今の職場にとどまると決めたとしても、キャリアを停滞させる必要はありません。むしろ、現職での働き方や関わり方を見直すことで、やりがいや評価、スキルアップの機会を自ら創出することが可能です。
ここでは、今の職場でできることを最大化するための視点と行動のヒントを整理します。
業務の中に「伸ばしたいスキル」を見つける
現在の仕事の中にも、成長のチャンスは隠れています。たとえば、後輩指導や委員会活動、看護研究などは、マネジメント力や発信力を磨く機会になります。
また、患者さんとの関わり方を意識的に深めることで、コミュニケーション力や観察力も高まります。日々の業務を「自分の伸ばしたい力」と結びつけて考えることが、現職での成長につながります。
「変化」を小さく取り入れていく
転職以外にも、環境に変化を加える方法はあります。シフトや勤務体制の希望を出してみる、新しい部署への異動希望を伝えてみる、研修や学会参加に手を挙げてみるなど、少しの行動で新たな刺激が得られる場合もあります。
自分の置かれた環境に主体的に関わることで、仕事への満足度やモチベーションが向上することも多いです。
信頼できる人に「想い」を伝えてみる
現職にとどまりながらキャリアを広げていくには、信頼できる上司や先輩、外部の相談相手に話を聞いてもらうことも有効です。
「こんな働き方がしてみたい」「将来的にはこうなりたい」といった思いを共有することで、新しい役割やチャレンジの機会が巡ってくることもあります。自己開示は、自分らしい働き方を実現するための第一歩です。
選ばなかった選択肢を、肯定していく
キャリアにおいて「どの道を選ぶか」は常に悩ましい問題ですが、それと同じくらい重要なのが「選ばなかった道をどう捉えるか」です。
転職を検討しながらも今の職場に残ると決めた場合、「やっぱり転職すべきだったかも」と感じる瞬間もあるかもしれません。
しかし、選ばなかった選択肢を肯定する視点を持つことは、今の自分の意思を尊重し、前に進む力になります。
「比較」ではなく「納得」を軸にする
人はつい、周囲と自分を比較してしまいがちです。特にSNSでは、転職後に充実している人や、高収入・自由な働き方を実現している人の投稿が目立ちます。しかし、その裏にある苦労や努力、リスクは見えづらいものです。
大切なのは、「他人の選択」ではなく、「自分が今の職場に残ると決めた理由」にしっかりと納得できているかという点です。
「今の選択」を未来にどう活かすかを考える
たとえば、現在の職場で新しいスキルを身につけたり、資格取得の準備をしたりすることは、将来の転職やキャリアアップにもつながります。「いま動かない=未来も変わらない」わけではありません。
むしろ、土台を固めておくことで、次の一歩をより確実に踏み出せるようになります。
「選ばなかったこと」も自分の一部にする
転職しなかったという選択も、自分が考え、悩んだ末に下した大切な決断です。それを後悔ではなく、成長の一部として受け止めることで、自信を持って次のキャリアに進むことができます。
必要であれば、再びキャリア面談などを活用して自分の選択を再確認するのも一つの手段です。
焦らず、今の自分に合った選択を
転職を考えたとき、多くの看護師が抱えるのは「変わりたい」という気持ちと「本当に今でいいのか?」という迷いです。キャリア面談は、そうした曖昧な不安を言語化し、自分に合った道を見つけるサポートになります。
辞める・辞めないに正解はなく、重要なのは自分自身が納得できる選択をすることです。もし迷いがあるなら、一度立ち止まって話をすることで、新たな視点が見えてくるかもしれません。
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