看護師として転職を考えたとき、最初に悩むのが「履歴書の書き方」ではないでしょうか。一般企業と同じように見えて、医療機関ならではの視点が求められるのが看護師の履歴書の特徴です。
学歴や職歴の書き方はもちろん、志望動機や資格欄に何をどう書けば採用担当者の目に留まるのか――。この記事では、看護師向けに履歴書の正しい書き方をわかりやすく解説し、すぐに使えるフォーマットも紹介します。
転職活動の第一歩として、ぜひ参考にしてください。
看護師の履歴書は一般職と何が違う?
転職活動で提出する履歴書は、看護師であっても基本的な書式は一般職と大きく変わりません。
しかし、医療機関ならではの特徴や評価基準が存在するため、「一般企業向けの履歴書」と同じ感覚で作成すると、採用担当者に響かない場合があります。ここでは、看護師の履歴書に特有のポイントを整理します。
履歴書に必須の基本情報と看護師特有の記載欄
一般職同様、氏名・住所・学歴・職歴・資格は必須項目です。ただし看護師の場合、以下のような特有の情報を明確に記載する必要があります。
医療機関が重視するポイントとは?
医療機関の採用担当者は、履歴書から次の点を特に重視します。
- 即戦力としての適性
どの診療科でどの程度の経験があるか、具体的な臨床スキルを把握します。 - 長期的に勤務できるか
結婚・出産・転居などライフイベントを見越して、安定的に勤務が続けられるかを確認します。 - 協調性や人柄
志望動機や自己PRの内容から「チームで働けるか」「患者さんに寄り添えるか」を見ています。
よくあるミスとその回避法
履歴書作成でよくある失敗と、その防ぎ方を整理します。
- 学歴・職歴の誤記
西暦と和暦を混在させないこと。学歴は高校入学から記載が基本です。 - 資格欄の省略
准看から正看への取得履歴や、BLS・ACLSなどの資格も採用評価に直結するため必ず書きましょう。 - 志望動機が抽象的すぎる
「患者さんに寄り添いたい」だけでは弱いため、「〇〇科での経験を活かし、地域医療に貢献したい」など具体的に。
このように、看護師の履歴書は一般職と共通する部分もありながら、 「臨床経験・資格・勤務形態」 を具体的に書くことで採用担当者の目に留まる内容になります。
履歴書の正しい書き方を解説
看護師の履歴書は、ただ形式通りに埋めれば良いというものではありません。採用担当者が「この人と一緒に働きたい」と感じるかどうかは、細部の書き方に左右されます。
ここでは、基本の学歴・職歴から、資格・免許欄、さらに志望動機や自己PRまでを丁寧に整理して解説します。
学歴・職歴の書き方(時系列・正式名称で記載)
- 時系列は古い順から記載
学歴は高校入学から記載するのが一般的です。西暦と和暦を混ぜずに統一しましょう。 - 学校・施設名は正式名称で
「〇〇短大」ではなく「〇〇短期大学」、「〇〇総合病院」など略称を避けます。 - 職歴は具体的に
病棟(内科・外科など)、勤務形態(二交代・三交代)、在籍期間を明確に記載。 - 退職理由は不要
履歴書では「退職」までを記し、理由は面接で聞かれた際に説明します。
資格・免許欄に書くべき内容と注意点
- 必須資格は正確に
看護師免許、准看護師免許、保健師免許などは取得年月を記載。 - 補助的資格も評価対象
BLS、ACLS、認定看護師資格、糖尿病療養指導士などのスキルはアピールにつながります。 - 記入例
2020年4月 看護師免許取得(第×××号)
2022年9月 BLSプロバイダー取得 - 注意点
資格名を略さず、公式名称を用いること。免許証番号を求められる場合もあるため確認が必要です。
志望動機・自己PRはどう書く?
- なぜ転職を考えたのか(現職での課題や環境の変化)
- 応募先を選んだ理由(理念・診療科・教育制度など)
- 自分の経験をどう活かせるか(病棟経験・専門スキルなど)
自己PRには具体性が重要で「患者さんに寄り添える」だけでは弱いため、具体的な経験に基づいて書くことが大切です。
例えば「急性期病棟で培った観察力を活かし、早期変化の察知に自信がある」「プリセプター経験を通じて新人教育に関わり、チームづくりに貢献できる」のように具体性を持たせて記載します。
- 抽象的で誰にでも当てはまる内容
- ネガティブな理由をそのまま書く(例:「残業が多いから」)
このように、履歴書は 「形式を守る正確さ」と「経験を伝える具体性」 の両方が求められます。次章では、実際に使えるフォーマットやテンプレートを活用しながら、より実践的に履歴書を仕上げる方法を紹介していきます。
履歴書フォーマットの選び方【看護師向け】
履歴書を書く際には「どのフォーマットを選ぶか」が意外と重要です。
看護師の採用現場では、見やすさや記載内容の網羅性によって第一印象が左右されるため、単に市販のフォーマットを選ぶのではなく、応募先や自身のアピールポイントに合わせて選ぶことが大切です。
ここでは、手書きとPC作成の違い、病院・クリニックごとの好み、チェックリストの観点から解説します。
手書きとPC作成、どちらが有利?
- 丁寧さや誠実さを伝えやすい
- 小規模な病院や地域密着型クリニックでは「人柄」を重視される傾向が強い
- ただし字が読みづらいと逆効果になる場合も
- 見やすく整ったフォーマットを短時間で作成できる
- 大規模病院や企業系クリニックでは効率性や合理性を評価されることが多い
- データ保存が容易で、複数応募にも活用できる
結論として、「手書きが絶対に良い」わけでも「PC作成がNG」なわけでもありません。応募先の特徴に合わせて柔軟に使い分けるのがベストです。
病院・クリニック別に好まれる形式
- 総合病院・大学病院
- 志望者が多く比較対象も多いため、整ったPC作成フォーマットが望ましい
- 学歴・職歴・資格が一目で把握できるようにすることが重要
- 中小規模病院・介護施設
- 人柄や協調性を重視する傾向があり、手書き履歴書が好まれる場合も多い
- 自己PR欄で「地域医療への関心」や「多職種連携への姿勢」を表現できると効果的
- 美容クリニック・健診センター
- フォーマットの見やすさ、レイアウトの美しさが強く評価される
- PC作成で清潔感や整然とした印象を与えるのが有効
フォーマットを選ぶときのチェックリスト
- 学歴・職歴欄に十分なスペースがあるか
- 資格・免許を正式名称で漏れなく記載できるか
- 志望動機や自己PR欄がしっかり確保されているか
- 手書き用かPC作成用か、応募先に合わせた形式になっているか
- A4サイズで印刷・保存できるか(郵送やデータ提出どちらにも対応可能)
このように、履歴書フォーマットは単なる“用紙”ではなく、自分をどう見せたいかを反映するツールです。事前に応募先の傾向を調べておくことで「見やすい」「誠実さが伝わる」書類に仕上げることができます。
ダウンロード可能な履歴書テンプレート付き
履歴書を書くときに「どんなフォーマットを使えば良いのか?」と迷う看護師さんは少なくありません。市販のものを購入しても良いですが、最近はWordやExcel、PDF形式のテンプレートを活用する人が増えています。
ここでは、形式ごとのメリット・使い分け、実際に使えるテンプレートリンク、そして使用時の注意点をまとめます。
Word・Excel・PDFなど形式別の使い分け
- Word形式(.docx)
・レイアウトが自由に編集できるため、志望動機や自己PR欄を広めに調整可能
・フォントやサイズも変更できるので、見やすさを重視したい人におすすめ - Excel形式(.xlsx)
・表形式に慣れている人は記入がしやすい
・職歴が多い場合、セル幅を調整することでレイアウト崩れを防ぎやすい - PDF形式(.pdf)
・レイアウトが固定されるため、応募先に送るときに崩れない
・印刷用としても安定して利用可能
・ただし入力自体は編集ソフトや手書きが必要になるケースも
実際に使えるテンプレートリンク【注釈①】
ここでは、看護師向けに調整したオリジナルのテンプレートをご用意しています。形式はExcel・PDF の2種類を用意しており、用途に応じて選んでいただけます。
👉 テンプレートリンク(後日作成・発行予定)
【注釈①】本記事公開後にリンクを追加予定です。最新情報はLINE公式アカウントに登録いただくと通知で受け取れます。
使うときに気をつけたい注意点
- 必ず最新のフォーマットを利用する
古い形式の履歴書では「生年月日」や「年号」の表記が古かったり、記載項目が応募先の基準と合わない場合があります。 - 空欄はなるべく残さない
特に志望動機や自己PR欄は「未記入=熱意がない」と見られることも。短くても、自分の言葉で埋めることが重要です。 - 印刷時はA4サイズで提出
病院やクリニックによっては指定があるため、必ず募集要項を確認してください。 - フォントや文字サイズは統一する
PC作成の場合、バラバラのフォントやサイズは見づらくなり、マイナス評価につながります。
このように、履歴書テンプレートを使うと作成のハードルがぐっと下がります。
後日公開予定のテンプレートリンクを活用しつつ、LINEに登録していただければ「最新のダウンロード情報」や「書き方の個別アドバイス」も受け取れます。
提出前の最終チェックポイント
履歴書を完成させたと思っても、提出直前のチェックを怠ると予期せぬ減点につながることがあります。
特に看護師の応募書類は採用担当者が細かく確認するため、誤字や空欄、写真の印象、送付方法など細部にまで注意が必要です。ここでは、最終確認で必ず押さえておきたい3つのポイントを解説します。
誤字脱字・空欄チェック
- 誤字脱字の確認
誤字や変換ミスは「注意力が不足している」と判断されやすいです。提出前には必ず声に出して読み上げたり、第三者に見てもらいましょう。 - 空欄の有無
特に「志望動機」「自己PR」などの空欄は「やる気がない」と見られる可能性があります。短くても構いませんので、自分の言葉で必ず埋めましょう。 - 日付や年号
西暦・和暦の表記は統一し、提出日と一致しているかを確認してください。
写真の印象は合否に直結する
看護師の採用では「第一印象」がとても大切です。履歴書に貼る写真は合否に直結する場合があるため、以下の点に注意しましょう。
- 服装:白衣ではなく、スーツやジャケット着用が基本です。
- 表情:無表情は避け、やや口角を上げた明るい印象が好ましいです。
- 髪型:清潔感が伝わるように、前髪や長髪は整えて顔がはっきり見えるようにしましょう。
- 撮影方法:スピード写真よりも写真館やスタジオでの撮影が望ましいです。
封筒・送付状・メール提出のマナー
履歴書の提出方法にも細かなマナーがあります。せっかく中身が良くても、ここで印象を下げてしまう人も少なくありません。
- 封筒で郵送する場合
- 封筒は白色の角形2号を使用し、表面に「履歴書在中」と朱書き
- 宛名は「御中」「採用ご担当者様」など正式な表現を用いる
- 折り目がつかないようにクリアファイルに入れてから封入
- 送付状を添える
- 履歴書だけでなく、簡単な送付状を添えることで丁寧な印象を与えられます。
- メールで提出する場合
- 件名は「看護師応募 履歴書送付の件」など明確にする
- 本文では応募先への感謝を添える
- 添付ファイルはPDF形式に変換してから送る
このように、履歴書提出の最終チェックは「中身の完成度」だけでなく、「見せ方」や「マナー」も含めた総合評価に影響します。
小さな工夫の積み重ねが、採用担当者に「この人なら安心して任せられる」という印象を与えるのです。
まとめ|履歴書は「未来を見せる」第一歩
履歴書は単なる過去の経歴を並べる書類ではなく、「これからどう活躍していきたいか」を伝える第一歩です。
看護師としての経験や想いを、応募先に分かりやすく表現することで、面接へつながる可能性は大きく広がります。細部まで丁寧に仕上げ、自分の未来像を見せられる一枚を完成させましょう。

















例:看護師免許、准看護師免許、保健師免許、認定看護師資格など。免許証番号や取得年月を正確に記載します。
病棟経験(内科・外科・小児科など)、救急・ICU経験、訪問看護や美容クリニックでの経験など。
二交代・三交代制、夜勤専従経験なども記載すると、採用側がシフト適応力をイメージしやすくなります。