夜勤明けの帰り道。ふとスマホを開けば、タイムラインには結婚式の投稿や、子育て中の友達の写真。
「みんな、ちゃんと前に進んでるな」
そう思った瞬間、自分だけが取り残されているような、あの感覚がふいに押し寄せてきたこと、ありませんか?
看護師として5年間。頑張って働いてきたし、後輩もできて、任されることも増えてきた。でも――このまま、この働き方を続けていく未来が、自分にとって幸せなのかは、まだ分からない。
そんな“なんとなくの不安”を抱えるあなたへ。
この記事では、キャリアを考えるときに最初にやるべきことと、【自分らしい未来をつくるための5つのステップ】をご紹介します。
焦らなくて大丈夫。少しずつ、自分の未来を「選べる力」をつけていきましょう。
自分にとっての“キャリア”を定義し直す
キャリア=役職や給料だけじゃない。自分の「こうありたい」を掘り下げる
「キャリアって、何だろう?」
この問いに、即答できる人はそう多くありません。
一般的には「昇進」「専門資格の取得」「高収入」といった目に見える成果が“キャリア”だと思われがちです。
でも本来のキャリアとは、自分がどんなふうに働き、生きていきたいかという“軸”のこと。言い換えるなら、「あなたにとっての幸せとは何か?」という問いに近いかもしれません。
たとえば、こんな未来像を描いている人もいます
- 夜勤のない働き方に切り替えて、生活リズムを整えたい
- ひとつの職場で長く働きながら、患者さんとじっくり向き合いたい
- 看護師の枠を超えて、講師やライターとしても活動したい
- 30代までに年収を上げて、経済的にも自立していたい
これらはすべて、立派な“キャリア”です。
つまり、キャリアに正解はなく、自分にとっての「理想像」をまず見つけることが、すべての始まりなのです。
とはいえ、「理想って言われても、何が正解か分からない」と戸惑う人も多いはず。
そんな時は、“こうなりたい”の前に、“こうはなりたくない”から考えるのもおすすめです。
- もう夜勤で体調を崩すような働き方は続けたくない
- 常に人手不足で、余裕のない毎日はイヤ
- 休日も職場LINEで気を張るような環境から離れたい
そう思う気持ちは、自分のキャリア感を知るヒントになります。
看護師としての道は、病棟だけじゃありません。訪問看護、クリニック、企業看護、教育、起業、副業など、選べる選択肢は、実は想像以上に広がっています。
でも、それを「自分にとっての可能性」に変えるためには、まず“どうなりたいか”というビジョンが必要です。そして、それは他人と比べて決めるものではなく、あなた自身が決めるもの。
だからこそ、「キャリア=肩書き」ではなく、「キャリア=自分の理想の生き方」という視点で見直すことが、第一歩になります。
参考文献・注釈
- 厚生労働省「キャリア形成支援ガイドライン」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html
- 日経WOMAN「“キャリア=出世”はもう古い」特集記事(2023):https://woman.nikkei.com/
- 看護roo!「キャリアの再設計を考える看護師のための特集」
自分の価値観を“書いてみる”だけで、整理が始まる
書くことで、自分が大事にしているものが見えてくる
「このままでいいのかな?」と感じているとき、頭の中では漠然とした不安やモヤモヤが渦巻いているものです。
その感情を整理するために、“書いてみる”ことは非常に効果的です。なぜなら、人は言語化できないものを判断・選択することができないからです【注1】。
たとえば、次のような問いに、紙やスマホのメモで書き出してみてください。
- 私が大事にしたいものって、なんだろう?
- いま手に入れているもの、失っているものは?
- 5年後、どうありたい?
- 逆に、どんな未来は避けたい?
すると、「自分の中で本当に大事にしたい軸」がだんだん見えてきます。
たとえば、ある看護師さんは、「周りの友達が結婚や出産をしている中で、私は何も残せていない気がする」と不安を抱えていました。
でも、実際に自分の価値観を整理してみると、
- 自分の時間を持てる働き方がしたい
- 自分のペースで成長できる場所にいたい
- ひとつの職場に長くいるより、いろんな経験を積みたい
という、自分なりの優先順位に気づくことができました。この“言葉にする”プロセスが、キャリアの第一歩になります【注2】。
このとき役に立つのが、「キャリアアンカー」と呼ばれるフレームワークです。
これは、MITの心理学者エドガー・シャインによって提唱されたもので、「人が無意識に大事にしている職業上の価値観(=アンカー)」を8分類で明らかにするものです【注3】。
たとえば、
- 安定志向(ワークライフバランスを重視)
- 専門志向(スキル・専門性の追求)
- 自律志向(自由・裁量のある働き方)
- 貢献志向(誰かの役に立つ実感)
など、自分の“譲れない軸”を見つける手がかりになります。
忙しい日々の中では、立ち止まって考える時間もなかなか取れません。でも、一度「私は何を大事にしたいのか」を書いてみるだけで、未来への選択肢の見え方が変わるはずです。
参考文献・注釈
- 【注1】Discover21出版『書くだけで人生が変わるノート術』
- 【注2】マイナビ看護師「キャリア面談で得られる“気づき”とは
- 【注3】Edgar H. Schein “Career Anchors: Discovering Your Real Values”/日本語訳版『キャリア・アンカーの見つけ方』
今の職場でできること/できないことを整理する
転職ではなく、職場の課題整理から始めるという選択
「この職場、もう無理かも…」
そう感じたとき、すぐに“転職”を考えるのは自然な流れです。けれど、実はその前にやっておくべき大切なことがあります。それは、「今の職場で何ができて、何ができないのか」を整理することです。
転職を成功させている人の多くは、「現職で何に困っていたか」「なぜそれを解決できなかったか」が明確です【注1】。
逆に、「なんとなく合わない」という理由だけで職場を変えてしまうと、次の職場でも似たような不満を繰り返してしまうことがあります。
まずは、次のように自分の環境を具体的に書き出してみましょう。
今の職場で「満足していないこと」リスト
- 夜勤の多さで生活リズムが乱れている
- 人手不足で、常に余裕がない
- キャリアアップの仕組みがない(教育制度・資格支援など)
- 上司にキャリア相談しづらい雰囲気
- 休み希望が通りにくく、プライベートの計画が立てづらい
この中で、改善の余地があるものは“職場内調整”で解決できる可能性もあります。
たとえば、
- 教育担当に相談して勉強会の参加を増やしてもらう
- シフト調整や部署異動を希望してみる
- 信頼できる先輩に、キャリアの相談を持ちかける
など、「いまの場所で解決できる工夫」が意外と見つかることもあるのです。
一方で、「構造的に変わらない課題」も存在します。
- 上司や人間関係が固定的で、空気が変わらない
- 夜勤体制やシフト方針が明らかにブラック
- 上層部に変革の意思がない
このような状況であれば、“環境を変える=転職”が前向きな選択肢になります【注2】。
「何が不満なのか」ではなく、「なぜそれが解決できないのか」を見極めること。ここがクリアになると、転職する・しないの判断が“感情”ではなく“根拠”でできるようになります。
今の職場で自分が変えられること、どうしても変えられないこと。これを一度棚卸しするだけで、キャリアに対する視界がぐっとクリアになるはずです。
参考文献・注釈
- 【注1】看護roo!「転職を考える前にやっておきたい“現職の見直し”」
- 【注2】ナース専科「看護師の職場満足度と転職理由調査」2023年度版
情報収集は、理想から“逆算”して行う
「今どんな求人があるか」ではなく「自分に合う求人はどこか」で探す
「そろそろ転職しようかな」と思ったとき、多くの人が最初にやるのが「求人サイトを見ること」。でもその時、こんな風に感じたことはありませんか?
条件がバラバラすぎて、どれが自分に合っているのか分からない……。それもそのはず。
求人サイトは、“今ある選択肢の一覧”を提示してくれる場。そこから自分に合うものを探そうとすると、選択肢が多すぎて逆に迷ってしまうことがあるのです【注1】。
だからこそ大切なのは、「今ある求人から選ぶ」ではなく、「理想から逆算して探す」という考え方。
たとえば、あなたが今こう思っているとします。
- 夜勤はもう限界。日勤だけで働きたい
- でも、収入は今よりあまり下げたくない
- プライベートも大切にしたいから、残業は少なめがいい
- できれば、専門性を磨ける環境がいい
このように、自分にとっての「理想の働き方像」を先に描くことで、検索の仕方も、情報収集の視点も変わってきます。
この“逆算型転職”を実現するには、以下の手段が有効です
- 信頼できるキャリアアドバイザーに「理想の働き方像」を伝えて探してもらう
- 自分の価値観や条件を整理した上で、求人票を見る
- 同じような悩みを持つ人の事例(SNS・インタビュー記事)を見る
- LINEや公式コミュニティを活用し、情報に“触れる場”をつくる
特にLINEは、検索や面談よりも気軽に「自分のペースで学べる」ツールとして人気が高まっています【注2】。
看護師向けの転職支援LINEでは、実際の事例や限定セミナー情報が得られるほか、いきなり求人を紹介されるのではなく、「情報収集だけ」から始められるという安心感があります。
また、SNSでの「転職してよかった」「理想の働き方に出会えた」という体験談にもヒントが詰まっています。無理なく情報に触れることで、自分の中にある理想の姿を少しずつ言葉にしていくことができます。
つまり、転職を成功させるカギは、「求人を探す」前に「自分の理想を言語化する」ことにあるのです。
参考文献・注釈
- 【注1】type転職エージェント「求人の見方が変わる“逆算型転職”のススメ」
- 【注2】LINEヤフー「20代女性の転職活動におけるLINE活用調査」(2023):https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2023/4195
- 看護roo!「“理想の働き方”から求人を選ぶ時代へ」
小さな一歩を、今月の行動目標にしてみる
「転職するか」ではなく「動いてみるか」で未来が変わる
キャリアに悩んだとき、
「どうすれば正解なのか分からない」
「選択を間違えたらどうしよう」
と立ち止まってしまう人は少なくありません。
でも、大切なのは完璧な答えを見つけることではなく、“行動してみること”です。それも、いきなり大きな決断ではなく、今月できる小さな一歩からで十分です。
たとえば、こんな行動でもOKです。
- キャリアの棚卸しをして、紙に書き出してみる
- 気になる職種について調べてみる
- 看護師向けのキャリアイベントに参加してみる
- SNSで転職体験談をシェアしているアカウントをフォローする
- LINE公式に登録して、情報収集を始める
たった1つでも、「動いた」実感があなたの中に残ります。それが、次の一歩への自信につながるのです。
特に、LINEや無料キャリア面談のような“ゆるい行動”は、忙しい看護師でも無理なく始められる入口としておすすめです【注1】。
「相談=すぐ転職」ではなく、「話しながら考える」ことが目的なら、もっと気楽に自分のキャリアと向き合えるはずです。
小さな一歩が、数ヶ月後に自分を大きく変えていることもあります。だからこそ、完璧な未来を描こうとするよりも、「まずは、ひとつやってみる」ことを、行動目標にしてみてください。
あなたのキャリアは、あなた自身の歩みで形作るものです。その始まりは、今日この瞬間の「ちょっとやってみようかな」という気持ちかもしれません。
参考文献・注釈
- 【注1】スタンフォード大学 BJフォッグ「Tiny Habits:小さな習慣が人生を変える」
- 看護のお仕事「転職はまだ早い?という人にこそおすすめの“情報収集の習慣化”」:https://kango-oshigoto.jp/media/article/1407/
「誰かと比べないキャリア」を、自分で育てていこう
友達が結婚して子育てを始めていたり、後輩が資格を取って成長している姿を見たり。自分だけが“何者にもなれていない”ような気がして、焦ることもあるかもしれません。
でも、キャリアは「他人と比べてどうか」ではなく、「昨日の自分より誇れるか」で育っていくものです。今日あなたが考えたこと、書き出したこと、ほんの少しでも前に進んだこと。そのすべてが、あなたの未来をつくっていきます。
焦らなくていい。誰かのペースに合わせなくていい。「自分で選んだキャリア」を、自分のペースで築いていくことが、いちばん価値ある選択です。
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あなたのキャリアを、一緒に考えていきましょう。
こんにちは、これはコメントです。
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