「あなたの長所と短所を教えてください。」面接でこの質問をされると、頭が真っ白になる──そう感じたことのある看護師は多いのではないでしょうか。
この質問はただの“定番”ではなく、採用側が「人柄」や「職場での適応力」を見極めるための重要なポイントです。とはいえ、正直に言えば良いわけでも、無難にまとめれば評価されるわけでもありません。
この記事では、看護師の面接で「長所・短所」を聞かれたときに好印象を与える答え方と、自己分析のコツをわかりやすく解説します。面接前の準備として、ぜひ参考にしてください。
なぜ面接で「長所と短所」を聞かれるのか
面接で「あなたの長所と短所を教えてください」と聞かれるのは、看護師採用の定番質問のひとつです。一見すると形式的な質問のように思えますが、実はこの質問には“採用側の明確な意図”があります。
単に性格を知るためではなく、「現場でどのように働く人なのか」「どんなチームに合うのか」を見極めるための質問なのです。
採用側が知りたい“本当の意図”
看護師の面接でこの質問をする目的は、主に次の3つです。
つまり、採用担当者は「完璧な人」を探しているのではなく、自分を理解し、成長しようとする姿勢を持つ人を求めているのです。
答え方次第で「人柄」と「適性」が伝わる
この質問のポイントは、“何を答えるか”よりも“どう答えるか”です。
たとえば、「私の長所は几帳面なところです。どんな仕事も丁寧に進めることを心がけています。」という答え方をするだけでも、「責任感がある」「信頼できる」という印象を与えます。
逆に、「短所は完璧主義なところで、仕事を抱え込みがちです。」という答えをしても、「ただし最近は、周りに相談しながら効率的に進めるよう心がけています。」と続ければ、“課題を認識し、改善に向けて努力している人”として好印象になります。
つまり、質問は「あなたの欠点を探るため」ではなく、「あなたの姿勢を知るため」にあるのです。
「良い人」よりも「現場で信頼できる人」を見ている
採用担当者は、性格の良し悪しを判断したいわけではありません。求めているのは、「この人と一緒に働ける」「安心して任せられる」という信頼感です。
そのため、答えるときは“現場目線”を意識することが大切です。
たとえば「協調性があります」と言うだけでなく、「忙しいときでも声をかけ合って助け合うことを大切にしています。」といったように、現場での行動を交えて話すとより具体的で伝わりやすくなります。
この質問で最も大切なのは、「自分をよく見せること」ではなく、「自分を理解していること」。その姿勢こそが、採用側にとって“信頼できる看護師”として映るのです。
好印象につながる「長所」の見つけ方
面接で「長所を教えてください」と言われると、どうしても「何を言えば良いのか分からない」と迷ってしまうものです。しかし、正解を探す必要はありません。
大切なのは“あなたらしい強み”を、具体的な経験と一緒に伝えることです。ここでは、好印象を与える長所の見つけ方と伝え方のコツを紹介します。
自分の経験を振り返って長所を抽出する方法
まずは、これまでの職場経験を振り返ってみましょう。「どんなときに褒められたか」「任されることが多かった仕事は何か」を思い出すと、自分の長所が見えてきます。
- 患者さんの小さな変化に早く気づける → 観察力
- チームで協力して仕事を進めるのが得意 → 協調性
- 忙しくても最後まで責任を持ってやり遂げる → 責任感
- 落ち着いた対応で患者や家族を安心させる → コミュニケーション力・共感力
このように、日常業務の中にある“自分らしさ”を掘り下げていくことが、説得力のある長所につながります。
看護師として評価されやすい長所の例
看護師の採用面接で評価されやすいのは、「チーム医療」「患者対応」「安全管理」に関わる強みです。
- 観察力:「患者さんの微妙な変化に気づき、早めの対応を心がけています。」
- 協調性:「忙しい場面でも声をかけ合い、チーム全体で支え合うことを意識しています。」
- 責任感:「任された業務は必ずやり遂げることを大切にしています。」
- 共感力:「不安を抱える患者さんに寄り添い、気持ちを受け止めながら関わっています。」
- 柔軟性:「状況の変化に応じて、優先順位を判断しながら動くよう心がけています。」
これらはすべて、医療現場で求められる「信頼」「安定」「チーム貢献」に直結する資質です。自分の経験と重ねながら、1〜2点に絞って話すと印象がより明確になります。
「自慢」に聞こえない話し方のポイント
面接で長所を話すときに注意したいのは、“誇張せず、自然体で伝えること”。自慢話のように聞こえると、どんなに良い内容でも印象が薄れてしまいます。
ポイントは、「他者との関わり」や「チーム貢献」を交えて話すこと。
「周囲から“冷静に状況を判断できるね”と言われることが多く、緊急時も落ち着いて行動できるよう意識しています。」
このように「周りの評価」や「具体的な行動」を添えることで、押しつけがましさが消え、誠実な印象になります。
“自分の長所を話す”というのは、自己PRではなく「これまでの経験から学んだ自分の強み」を共有すること。等身大の言葉で語ることが、何よりも信頼につながります。
「短所」を聞かれたときの上手な答え方
面接で「あなたの短所を教えてください」と聞かれると、答えづらいと感じる看護師は多いものです。
正直に話せば印象が悪くなりそうだし、かといって嘘をつくわけにもいかない──そんな悩みを抱える方も少なくありません。
この質問の本当の狙いは、「自分の課題をきちんと理解し、改善しようとしているか」を見ることにあります。つまり、“短所=マイナス”ではなく、“成長のチャンス”として伝えることが大切です。
正直すぎるNG回答例
面接で避けたいのは、「極端でネガティブな答え方」や「業務に直結する短所」を挙げることです。たとえば、以下のような答えは印象を下げてしまいます。
- 「ミスが多いです」
- 「人と話すのが苦手です」
- 「感情的になりやすいです」
- 「夜勤が嫌いです」
これらは“仕事に支障をきたす”と受け取られてしまうため、避けるのが無難です。また、「特にありません」と答えるのも逆効果。自己理解が浅い印象を与えてしまう可能性があります。
短所は「成長途中の課題」として伝える
面接で短所を話すときは、“欠点”ではなく“伸びしろ”として伝えることがポイントです。
「慎重すぎるところがあり、確認に時間がかかることがあります。ですが、その分ミスを防げていると感じています。」
このように“短所”を“長所の裏側”として表現すると、ポジティブに聞こえます。
また、次のようなフレーズも効果的です。
- 「完璧を求めすぎる傾向があります」
- 「人に頼るのが苦手で、自分で抱え込むことがあります」
- 「初対面の人に少し緊張してしまいます」
どれも、“課題はあるけれど意識して改善している”と伝わる言い回しです。採用担当者は“失敗しない人”より、“改善できる人”を高く評価します。
「改善努力」を添えて前向きに見せるテクニック
短所を話したあとに、「今はどう取り組んでいるか」 を必ずセットで伝えましょう。
「以前は業務を一人で抱え込みがちでしたが、最近はチーム内でこまめに共有し、相談するようにしています。」
「慎重な性格ですが、報告・連絡を意識的に早めに行うことでバランスを取っています。」
このように、改善の姿勢を具体的に示すことで、誠実で前向きな印象を与えられます。
また、口調にも気を配ると効果的です。「〜してしまうことがありますが」「〜するよう心がけています」と柔らかく伝えると、謙虚さが伝わります。
面接官は「短所」そのものよりも、そこから何を学び、どう成長しているかに注目しています。短所を“反省”ではなく“向上心の証”として語ることが、信頼される看護師への第一歩です。
長所と短所のバランスをとる答え方のコツ
面接では「長所と短所を教えてください」とセットで聞かれることが多くあります。ここで重要なのは、それぞれを“別々の話”として語るのではなく、一貫性のある人柄として伝えることです。
長所と短所のバランスが取れていると、「自己理解が深く、誠実な人」という印象につながります。
「長所と短所が裏表の関係」だと伝わりやすい
理想的なのは、長所と短所を“表裏一体”の関係として説明することです。たとえば、次のようなペアで答えると自然にまとまります。
- 几帳面(長所) ↔ 慎重すぎる(短所)
→「丁寧な仕事を心がける一方で、確認に時間をかけすぎることがあります。」 - 責任感が強い(長所) ↔ 抱え込みやすい(短所)
→「任されたことはやり遂げたい気持ちが強く、つい自分で抱え込みがちです。」 - 協調性がある(長所) ↔ 意見を遠慮しがち(短所)
→「周りの意見を尊重しすぎて、自分の考えを控えめに伝えることがあります。」
このように、短所を単なる欠点ではなく、長所の延長線上にある“特性”として表現することで、バランスの取れた印象になります。
一貫性のある話し方で“信頼感”を出す
長所と短所を別々に考えると、「この人は何を大切にしているのか」が伝わりにくくなります。採用担当者は、“職場でどんな行動を取る人か”をイメージできる回答を求めています。
「私の長所は冷静な判断力です。急なトラブルにも落ち着いて対応できます。一方で、慎重に考えすぎて行動が遅くなることがあり、その点は早めの報連相を意識して改善しています。」
このように、長所と短所の“軸”がぶれていない答え方をすると、「この人は自己分析ができている」「現場を理解している」と信頼感を与えます。
また、職場の方向性(急性期・慢性期・在宅など)に合わせて、強調するポイントを変えるのも効果的です。急性期なら“判断力”、在宅なら“傾聴力”など、現場に合った言葉を選ぶとより印象が良くなります。
ありがちな失敗パターンと避け方
長所と短所を伝えるときによくあるミスは、次の3つです。
- 抽象的すぎる答え
→「頑張り屋です」「真面目です」では印象が弱く、具体性に欠けます。 - 長所と短所が矛盾している
→「行動力がある(長所)」なのに「慎重すぎる(短所)」と並べると一貫性が崩れます。 - 短所を隠そうとする
→無理に良く見せようとするより、「課題を理解して努力している姿勢」を示す方が好印象です。
面接官が見ているのは、“完璧な人物像”ではなく、“現場で信頼できる人物像”。長所と短所の関係をうまく整理すれば、あなたの誠実さや人間性がしっかり伝わります。
面接で好印象を与える「答え方テンプレート」
面接では「何を話すか」以上に「どう話すか」が大切です。限られた時間の中で、自分の強みや人柄を的確に伝えるためには、構成力がカギになります。
ここでは、看護師の面接で使える答え方のテンプレートと、職種別の実例を紹介します。
結論→理由→具体例→まとめのPREP法
看護師の面接では、話を整理して伝えることが重要です。そこで役立つのが、ビジネスでも定番のPREP法(Point→Reason→Example→Point)です。
たとえば、「あなたの長所を教えてください」という質問に対して――
「私の長所は、冷静に状況を判断できる点です。」
「急変対応の多い職場で働く中で、落ち着いて行動することの大切さを学びました。」
「実際に急変時にはリーダー看護師と連携し、必要な処置を冷静に行えた経験があります。」
「今後も焦らず冷静に行動し、患者さんとチームに安心感を与えられるよう努めていきたいです。」
この流れを意識するだけで、内容に一貫性が生まれ、説得力が大きく増します。
長所・短所の実践例5パターン(看護師職種別)
- 長所:判断力・冷静さ
- 短所:慎重すぎる
「緊急時にも落ち着いて行動できる一方で、確認に時間をかけすぎてしまうことがあります。現在は報連相を早めに行い、バランスを意識しています。」
- 長所:コミュニケーション力
- 短所:感情移入しやすい
「患者さんとの会話を大切にするあまり、感情を引きずることがありました。今は切り替えを意識し、安定した対応を心がけています。」
- 長所:自立心・柔軟性
- 短所:人に頼るのが苦手
「自分で判断する力がある反面、相談が遅くなることがありました。最近は定例ミーティングで早めに共有するようにしています。」
- 長所:丁寧さ・正確性
- 短所:スピード対応に課題
「正確な処理を重視するため、スピードが遅くなることがありました。今は周囲との分担を意識し、効率化を心がけています。」
- 長所:責任感・リーダーシップ
- 短所:部下に任せきれない
「つい自分で抱え込んでしまうことがありました。最近は“任せる勇気”を意識し、スタッフが主体的に動けるようサポートしています。」
このように、職種や立場に合った答え方を選ぶことで、よりリアルで信頼感のある印象を与えられます。
「言い換え」で印象を柔らかくするテクニック
短所をそのまま話すのではなく、前向きな表現に言い換えることで印象が大きく変わります。
| ネガティブ表現 | ポジティブな言い換え |
| 心配性 | 注意深い・慎重に確認するタイプ |
| 仕事を抱え込みやすい | 責任感が強い・やり遂げたい意識が高い |
| 優柔不断 | 状況をよく見て判断するタイプ |
| 人に頼るのが苦手 | 自立心がある・責任を持って行動する |
このように言葉を少し変えるだけで、同じ内容でも印象がグッと柔らかくなります。長所と短所は、あなたの“個性”を表すもの。うまく言葉を選べば、「人間的に魅力がある人」として記憶に残ります。
完璧な人より「自分を理解している人」が選ばれる
看護師の面接で「あなたの長所と短所を教えてください」と聞かれるのは、あなたの性格を評価するためではなく、「どんな姿勢で仕事に向き合っているか」を知るためです。
採用担当者が見ているのは、“完璧な人”ではありません。ミスをしない人でも、全員と合う人でもなく、自分の強みと課題を理解しながら成長できる人を求めています。
つまり、長所や短所の答え方に「正解」はありません。大切なのは、経験を振り返り、あなたらしい言葉で語ること。少しの勇気と準備で、誠実さ・信頼感・前向きさは確実に伝わります。
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自分の強みや課題を客観的に把握している人は、職場に入ってからも成長が早く、周囲との協働がスムーズです。
医療現場では、スキルよりも“人間性”が問われる場面が多いもの。
「どんな考え方で仕事をしているか」「チームにどんな影響を与えるか」を見たいという意図があります。
短所の答え方や反省の姿勢から、“ストレス耐性”や“環境適応力”を判断しているケースもあります。