「朝、起きるのがつらい」「朝ごはんをゆっくり食べたのはいつだろう?」
そんなふうに感じたことがある看護師さん、きっと多いのではないでしょうか。
夜勤・早番・遅番と不規則なシフト、患者さんの急変やナースコールに追われる日々。気づけば、1日のスタートである“朝”をただの通過点のように扱い、疲労と緊張のまま仕事に向かっていた──。
この記事では、そんな「朝」に対する感覚が180度変わった看護師の実体験をご紹介します。病棟から訪問看護に転職したことで得られた、“生活リズムの変化”と“心のゆとり”。看護師としてだけでなく、一人の女性として、穏やかな暮らしを取り戻した話です。
「毎日に余白がほしい」「朝を楽しむ感覚を思い出したい」
そう思っている方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
※この記事は、実際にLINE転職相談にいらっしゃった看護師さんの体験談をもとに、構成・編集しています。
病棟勤務時代、「朝」はただの始業前だった
病棟勤務をしていた頃の私にとって、「朝」は希望の始まりではなく、戦いのゴングのようなものでした。
ゆっくりご飯を食べたり、深呼吸して気持ちを整えたり──そんな優雅な時間はなく、毎朝、気力を振り絞って「とにかく病棟に立つこと」だけが目標だったように思います。
常に眠気と戦う毎日
日勤も夜勤も不規則なシフトで、生活リズムは常にバラバラ。とくに日勤の早番(8時出勤など)では、次のような状況が日常でした。
- アラームを5回止めてようやく起きる
- 顔を洗っても頭がぼーっとする
- 朝食は食べられず、白湯を一口飲むだけ
身体が起きていても、心がまだ眠っている状態のまま職場に向かう日々でした。
夜勤明けの朝は“消耗感”しかなかった
夜勤明けの朝――それは解放感ではなく、むしろ「ようやく終わった」という虚脱感。患者さんの急変対応やナースコール対応が続くと、夜が明けるころにはフラフラになっていました。
- タイムカードを押して病棟を出るとき、目の奥がズキズキする
- 日差しが眩しくて、まっすぐ歩くのもつらい
- 「おつかれさま」と言われるのも耳に入らないほど
そんな状態で迎える朝に、「今日も一日がんばろう」と思えるはずもなく、ただただ“消耗”の積み重ねでした。
「朝時間」を楽しむ余裕なんてなかった
InstagramやYouTubeで「朝活」や「丁寧な暮らし」に憧れても、現実には“朝を楽しむ”という発想自体がありませんでした。
- 朝はギリギリまで寝ていたい
- 通勤中は無音で、スマホを見る余裕もない
- 職場についた瞬間から、患者対応で気が張る
そんな日々のなかで、ふと自分に問いかけたことがあります。
「私、いつから“朝”を嫌いになったんだろう?」
この疑問が、私の転職のきっかけのひとつになりました。
転職を考えたきっかけは“生活の質”だった
「もっと休みが欲しい」とか「給料が上がればいいのに」という希望はずっとありましたが、本気で転職を考えるようになったのは、“このままじゃ、私の人生がすり減る”と感じたことがきっかけです。
それは、たったひとつの出来事ではなく、いくつもの「ふとした瞬間」の違和感の積み重ねでした。
ふとした瞬間に感じた違和感
ある朝、友人から「朝カフェ行こうよ」と誘われたとき、私はこう思いました。
「朝にカフェ?無理に決まってるじゃん」
でも、なぜかその“諦め”が胸に引っかかりました。看護師だから忙しいのは当たり前。でも、本当にこの生活しか選べないの?そう問いかけたとき、少しだけ心がザワついたのを覚えています。
また、連勤の終わりに鏡を見たとき、自分の顔が疲れ切っていることにもショックを受けました。
「誰のために働いているんだろう」
そんな疑問が、じわじわと広がっていきました。
「このまま何年も続けられるのか?」という不安
夜勤が続く日々の中で、身体の疲れはもちろん、“心が乾いている”感覚が強くなっていきました。夜勤明けに寝る、起きる、ご飯を適当に食べる…気づけば1日が終わる。休日は寝てばかりで、何かを「楽しむ」余裕がなかったのです。
それに加えて、将来への不安も募っていきました。
結婚したらどうなるんだろう。子どもができたら?
このままの働き方で人生の節目を迎えられるのか、まったく想像ができなかったのです。
訪問看護という働き方を知った
そんなある日、偶然Instagramで見つけた「訪問看護師の1日」を紹介する投稿。そこには、朝8時に家を出て、17時前には帰宅し、夕食を家族と食べる日常が描かれていました。
「こんな看護の働き方があるんだ」と驚いたと同時に、希望が芽生えました。もちろん、病棟とは違う大変さもあるはず。
でも、自分の生活リズムを大事にしながら看護師を続けている人がいる。そう知ったことが、転職に向けて一歩を踏み出す原動力になったのです。
訪問看護に転職して変わった1日のリズム
訪問看護への転職を決めてから、私の「1日」は大きく変わりました。以前の病棟勤務では、朝は眠気と戦いながらなんとか出勤し、夜勤のある週は生活リズムがぐちゃぐちゃになりがち。
でも、今は“朝が自分の時間”になり、1日を穏やかに始められるようになりました。
出勤は朝8時、夜勤なしの安心感
訪問看護の職場は、朝8時の出勤が基本。夜勤がないので、前日の睡眠がきちんと取れるようになりました。この“夜にしっかり寝られる安心感”が、思っていた以上に心と体にとって大きかったのです。
時間に追われることはありますが、スケジュールは前もって組まれているので、病棟のような急変対応や残業続きの毎日とは違います。「今日はこれくらいの仕事量だ」と把握できることで、気持ちの余裕が生まれました。
朝ごはんを一緒に食べられるようになった
何より嬉しかったのは、パートナーと朝ごはんを一緒に食べられるようになったことです。これまでは、早番ならバタバタと一人で家を出る日々。遅番の日は朝ゆっくりできても、生活リズムが合わず、すれ違いがちでした。
訪問看護に転職してからは、毎朝一緒に朝食をとりながら会話ができるようになり、自然と笑顔の時間が増えた気がします。「おはよう」から始まる毎日が、これほど心を満たすとは思っていませんでした。
心と体にゆとりができた
生活全体に“余白”ができたことで、自分の感情にも気づけるようになりました。病棟時代は、とにかく目の前の業務を回すのに精一杯で、イライラや疲れを感じる余裕すらなかったのかもしれません。
今では、週末にちょっとカフェに行って本を読むとか、夕方に好きな音楽を聴きながら料理をするなど、小さな楽しみを持てるようになりました。それは、「ただ働くだけ」の毎日から、「自分の人生を味わう」日々への変化だったと思います。
私が“朝型生活”で得た3つのもの
訪問看護への転職を通じて「朝型生活」が定着した今、以前の病棟勤務時代にはなかった“心の余白”と“暮らしの満足感”を手に入れることができました。ここでは、私が実際に感じている3つの変化について紹介します。
感情の安定とパートナーとの会話
朝に余裕ができると、1日のスタートがとても穏やかになります。以前の私は、起きた瞬間から「間に合うかな」「今日も夜勤だ」と焦りがちで、感情にゆとりがなく、無意識に不機嫌になっていることもありました。
今では、朝からパートナーと他愛もない会話ができるようになり、「今日もがんばろうね」と送り出し合う時間が、心の栄養になっています。
朝時間がもたらした変化
- 起きてすぐ、落ち着いて深呼吸できる
- 感情に振り回されず、穏やかな気持ちで出勤できる
- パートナーとのコミュニケーションの量・質が格段に向上
自分のために使える時間が増えた
夜勤がない分、生活リズムが安定し、自分のための時間が明らかに増えました。以前は仕事の疲れで何もやる気が起きず、帰宅後は食事して寝るだけの毎日。ですが今は、「仕事以外の自分」を取り戻せた気がします。
例えば、こんなことができるようになりました。
- 朝に軽くストレッチや読書
- 休日に美容室やカフェ巡り
- 趣味だったネイルや料理を再開
日々の満足度が上がると、自然と「毎日がちょっと好きになる」感覚が育っていきます。
看護師という仕事への愛着が戻った
これは私にとって、最も意外で、でも一番大きな変化でした。病棟にいた頃は、心身の疲れや職場の人間関係で「看護師に向いてないかも…」と悩んでいました。
でも、訪問看護に転職し、自分のペースで患者さんに向き合えるようになってから、“ああ、やっぱり私はこの仕事が好きなんだ”と思えるようになったのです。
- 患者さん1人ひとりにじっくり関われる
- 無理なシフトに振り回されない
- プライベートとの両立がしやすくなった
そんな環境に身を置けたことで、看護師としての誇りややりがいを、もう一度感じられるようになりました。
「あのとき動いてよかった」と心から思う今
病棟勤務を続けていた当時の私には想像もつかなかった生活が、今ここにあります。日々に余白が生まれ、大切な人との時間を慈しみ、仕事に誇りを持てる日々。
転職は簡単な決断ではありませんでしたが、今は「動いてよかった」と胸を張って言えるようになりました。
昔の自分にも、こう伝えたい
“辞めたいなんて、甘えなんじゃないか”
“このまま続ければ、そのうち慣れるはず”
そんなふうに自分を言い聞かせていた頃の私に、今ならこう伝えたいです。
- 無理に我慢し続けることが「強さ」ではない
- 一歩踏み出すことも立派な「看護師の選択肢」
- あなたの人生は、あなたのものだから大切にしてほしい
少しでも「この働き方でいいのかな?」と感じているなら、それは、あなたの人生が“サイン”を送っている証拠です。
自分を犠牲にしない選択をもっと当たり前に
私たち看護師は、誰かの命や生活を支える仕事をしています。でも、その過程で自分の心や体をすり減らしてしまっては、本末転倒です。転職してから、私はようやく「自分を後回しにしなくてもいい」と思えるようになりました。
そして、それは特別なことではなく、もっと多くの人に当たり前になってほしいと感じています。
- 休む勇気
- 働き方を選ぶ力
- 支えてもらうことへの素直さ
これらはどれも、“わがまま”ではありません。むしろ、自分らしく看護を続けるために必要な選択です。
訪問看護がすべての人に合うわけじゃないけど…
もちろん、訪問看護という働き方が全ての人にぴったりだとは限りません。でも、「病棟しか選択肢がない」と思い込んでいたあの頃の自分にとって、この選択肢を知れたこと自体が、大きな転機になりました。
もし今、あなたが、
- 今の職場で働き続ける自信がない
- プライベートをもっと大切にしたい
- 新しいキャリアの形を模索している
そんな思いを抱えているなら、訪問看護という道を一度覗いてみてもいいかもしれません。それが未来の自分にとっての“希望の一歩”になるかもしれないのですから。
“朝が変わる”と、人生が変わる
病棟勤務から訪問看護へと転職し、私の毎日は大きく変わりました。特に「朝」が変わったことは、私の人生に思っていた以上の影響を与えています。
- 夜勤に追われない安心感
- 大切な人との朝ごはんの時間
- 自分の感情や体調への余白
- 看護師という仕事に対する新しい愛着
これらは、ただの環境の変化ではなく、“生き方そのもの”を見直すきっかけにもなりました。看護師という職業は、働き方が固定されがちです。けれど実際には、あなたに合ったスタイルを選び直すことができます。
「このままでいいのかな」と感じているなら、それは変化のサインかもしれません。誰かの人生を支えるためには、まずは自分自身の人生を大切にすることから。
その第一歩として、“朝型の働き方”を選んでみるのも、きっと意味のある選択です。
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